大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)6815 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人高橋万五郎の上告趣意(後記)第一点について。

論旨前段は、原判決が被告人に訴訟費用を負担させたのは、公費で証人を求める

権利を保障した憲法三七条二項に違反すると主張する。しかしながら、原判決の負

担を命じた訴訟費用は国選弁護人に関する費用であつて証人に関する費用ではない

から所論は問題とならない。そしてまた、国選弁護人に給すべき報酬等を訴訟費用

として被告人に負担を命じても憲法三七条三項に違反しないことは、当裁判所大法

廷判決の判示するところであり(昭和二四年新(れ)二五〇号同二五年六月七日大

法廷判決) これを変更する必要を認めないので論旨後段の主張も採用できない。

同第二点について。

第一審判決に判示するように、巡査部長Aが被告人を挙動不審者として職務質問

したことは、同判決挙示の証拠によつて十分に肯認されるのであるから、同人の行

為は警察官職務執行法二条による適法な公務執行々為と認むべきである。論旨は、

本件公務執行々為が適法でないことを前提として判例違反を主張するか、事実誤認

又は単なる法令違反を主張するものであつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人の上告趣意書は、法定期間経過後に提出されたものであるから、これに対

しては判断しない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年七月六日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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